ウィーン・フィルニューイヤーコンサート2018現地鑑賞レポート リッカルド・ムーティ伝説公演

毎年1月1日にオーストリア・ウィーンの楽友教会大ホールで全世界で生中継される、最も有名なクラシック音楽コンサート ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団ニューイヤーコンサート。今年2018年は14年ぶり5回目となる巨匠・リッカルド・ムーティが指揮しました。世界一チケットを取るのが難しいチケットでも有名ですが、現地で鑑賞することができました。

ウィーン楽友教会

 

 

本来なら12月31日のニューイヤーイヴコンサートを見に行く予定でしたが、なんとたまたま日本人の方が立ち見のチケットを余っていらして、ニューイヤーコンサートも聴くことができました!!ムーティ指揮の今年のニューイヤーコンサートをレポートをします。

 

目次

今年の指揮者 リッカルド・ムーティについて

リッカルド・ムーティ

毎年楽団員全員による投票によって決定されているニューイヤーコンサートの指揮者。今年はなんとまさかのあの巨匠 リッカルド・ムーティだった。

元々ピアノを学んでいたムーティだったが、音楽院でのオーケストラ公演にて先輩指揮者が病気でキャンセルし、指揮経験のないムーティが強引に代役を任せられてしまい、それが転機となる。指揮に興味を持ち始め、グィード・カンテッリ指揮者コンクールで優勝を果たし、指揮者として本格的に活動を進めていく。

2011年2月3日、シカゴ交響楽団とのリハーサル中に気を失って指揮台からステージに転落し、顔の骨と顎骨を折った。復帰はしたものの、その際心臓にペースメーカーを埋めていることが明らかになった。

ウィーン・フィルとは元々信頼関係があり、1973年以降ほぼ毎年指揮台に立っていて、ニューイヤーコンサートを指揮したのは1993年、1997年、2000年、2004年、2018年の5回。

2011年7月28日、ザルツブルク音楽祭開催中に70歳を迎え、ウィーン・フィルより名誉団員の称号を贈られた。

 

コンサートプログラム

第一幕

ヨハン シュトラウス2世 喜歌劇「ジプシー男爵」より入場行進曲
Entrance March from the Operetta “The Gypsy Baron

「ジプシー男爵」の中の入場行進曲。シュトラウス2世のオペレッタの中でも、「ジプシー男爵」は、「こうもり」に次いで有名なのではないだろうか。今年は第1次世界大戦の終結とハプスブルク帝国の崩壊から100年の節目を迎える。帝国崩壊により独立したハンガリー そしてオーストリアを舞台にしたこの曲を最初に飾った。

ヨーゼフ シュトラウス ワルツ「ウィーンのフレスコ画」
Wiener Fresken (Viennese Frescos), Waltz, op. 249

 

ヨーゼフのワルツらしい旋律のこの曲はニューイヤーコンサート初登場です。

ヨハン シュトラウス2世 ポルカ「嫁さがし」作品417
Brautschau (Bride Shopping), Polka, op. 417

こちらも初登場。なんかかわいらしい。

ヨハン シュトラウス2世 ポルカ・シュネル「浮気心」作品319
Leichtes Blut (Light of Heart), Fast Polka, op. 319

キレがいい曲ですね。

ヨハン シュトラウス1世 「マリアのワルツ」作品212
Marienwalzer (Maria Waltz), op. 212

緩急あって面白いですね。

 

ヨハン シュトラウス1世 「ウィリアム・テル・ギャロップ」作品29b

William Tell Galop, op. 29b

ロッシーニの有名な「ウィリアム・テル」序曲4章をヨハン・シュトラウスがギャロップ化

 

第二幕

フランツ・フォン スッペ 喜歌劇「ボッカチオ」序曲
Overture to “Boccaccio”

 

ウィーンのオペレッタの中でも有名なボッカチオの序曲。

 

ヨハン シュトラウス2世 ワルツ「ミルテの花」作品395
Myrthenblüten (Myrtle Blossoms), Waltz, op. 395

わ本来は歌詞付きのワルツですね。なかなか良い曲ですよね。古代ギリシアでは女神デメテルとアフロディーテに捧げられました。

 

ヨハン シュトラウス2世 「シュテファニー・ガヴォット」作品312
Alphons Czibulka
Stephanie Gavotte, op. 312

 

 

ヨハン シュトラウス2世 ポルカ・シュネル「百発百中」作品326
Freikugeln (Magic Bullets), Fast Polka, op. 326

当時大射撃祭が行われていたプラター公園にある射撃ホールでのコンサートのために作られた曲。ノリが面白い。

ヨハン シュトラウス2世 ワルツ「ウィーンの森の物語」作品325
Tales from the Vienna Woods, Waltz, op. 325

1868年6月19日にフォルクスガルテンで初演された曲。非常に人気の高い作品であり、シュトラウス2世の「十大ワルツ」のひとつとされ、その中でも特に『美しく青きドナウ』と『皇帝円舞曲』とともに「三大ワルツ」に数えられる。この曲の最大の見所として、ツィター(チター)という楽器が出てくるところが挙げられる。日本の箏(琴)に似た形状をしているが、長さは短い楽器。

 

ヨハン シュトラウス2世 祝典行進曲作品452

Fest-Marsch (Festival March), op. 45

ブルガリア侯フェルディナンドとブルボン・パルマ家のマリー・ルイーズとの結婚を祝して作られ、フェルディナンド侯に献呈された。

 

ヨハン シュトラウス2世 ポルカ「都会と田舎」作品322
Stadt und Land (Town and Country), Polka Mazurka, op. 322

演奏旅行で、ロンドン郊外の田舎の農家に滞在し、ヒーツィングに一軒家を購入している。この曲はこの都会と田舎を表現されているのかもしれない。

 

 

ヨハン シュトラウス2世 仮面舞踏会のカドリーユ作品272
Un ballo in maschera (Masked Ball), Quadrille, op. 272

何度かニューイヤーでも登場している。

 

ヨハン シュトラウス2世 ワルツ「南国のバラ」作品388
Rosen aus dem Süden (Roses from the South), Waltz, op. 388

自作のオペレッタ『女王のレースのハンカチーフ』を初演した。イタリア国王ウンベルト1世はこのオペレッタを大変気に入り、改変された曲。このコンサートの大曲ですよね。素晴らしいですよね。まさに南国のバラ。ムーティのあの持って行き方には心がやられました。

 

ヨーゼフ シュトラウス ポルカ・シュネル「短いことづて」作品240
Eingesendet (Letters to the Editor), Fast Polka, op. 240

コンサートレポート

ムーティの指揮はとてつもない。なぜウィーン・フィルはここまでムーティを推して頻繁に演奏してきたかがわかる。ムーティが好きなジョークを一切なくした今回のニューイヤーコンサート。楽団員たちの顔つきから違う。きちんと振っているわけでない(ほぼ振ってない)のだが、あれだけ音が一つにまとまっている。なんだこれは?!という衝撃から始まった。重圧感があり、オーケストラ本当に気持ちよさそうに歌っている。こんなオーケストラを見たのははじめてだ。

ウィーン・フィルとリッカルド・ムーティは最強コンビである。もう最後になるであろう、リッカルド・ムーティ指揮のニューイヤーコンサート。この公演は伝説の公演だった